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発達障害の定義
自閉症スペクトラム・自閉症スペクトラム症(ASD)
文部科学省定義「自閉症とは、3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。」
主な症状
人とのコミュニケーションの困難
想像力、見通しの困難
物事へのこだわりや反復的な行動
聴覚などの感覚の過敏さ
注意欠陥・多動性障害 注意欠如多動症(ADHD)
「ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び・または衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。」
主な症状
・不注意
・多動性
・衝動性
学習障害 限局性学習症(LD)
「学習障害とは、基本的に全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」
主な症状
・読みの困難
・書きの困難
・算数、計算の困難
※学習障害は知的な遅れを伴うものではありません
発達障害の発生率
2012年に全国の公立小中学校に在籍する児童・生徒を対象とした大規模調査によると発達障害の子どもたちの割合は6.5%です。特にLDの子どもの割合は発達障害の中で最も多く4.5%であり、これは1クラスに2~3人が発達障害であることを意味しています。
発達障害の治療
心理社会的治療
発達障害は脳や神経系の障害であるため、障害そのものを治療することは困難です。そのため、発達障害への治療は、本人が自分の特性を理解し社会に適応していくためのスキルを身につけることとなります。また、周囲の人々に理解を促すことで、本人が適応しやすい環境を整えることも大切です。
薬物治療
ADHDには多動・衝動・不注意などへの効能・効果が承認されている薬があります。これらの薬は神経系への刺激薬もしくは類似の作用があります。これらの薬を理解する視点として、これらの薬が症状を治すものではなく一時的に症状を抑えるものであることを理解しておくことが重要です。薬物療法だけでなく心理社会的アプローチと併用する必要があります。
発達障害と教育
発達障害の子どもたちの進路
一般の生徒の高校進学率が98.4%であるのに対し、発達障害の子どもたちの進学率が75.7%です。また、全日制高等学校進学者全体に対する割合は約2.2%であるのに対して、定時制高等学校進学者に対する割合は14.1%、通信制高校進学者に対する割合は15.7%です。
高等学校における特別支援教育の支援状況
高等学校の特別支援教育への取り組みは近年大幅な改善が見られており、平成30年度より通級指導を制度化する指針を打ち出すなど、積極的な施策も計画されています。義務教育に比べると遅れており、特に私立高校での取り組みが少ない状態です。
大学・短大等における支援状況
大学、短大等に進学する発達障害学生は年々増加の傾向にあります。それに伴い発達障害学生への何らかの配慮や支援している学校が増えていますが、まだ十分とは言えない状況です。